過ちを知りては必ず改め、能を得ては忘るること莫れ。
千字文にあった一文です。
「仕損じたことがあれば早く改むるべきである」
「能きことを習い得たならばそれを忘れずにせよ」
こちらの言葉は論語にある「過っては則ち改むるに憚ること勿れ」とある文に当たるようです^^
そして、さらに「子夏曰く、日にその亡きところを知り、月にその能くする所を忘るる無きは、学を好むというべきのみ」とあるそうです。
実は小難しい言い回しに聞こえても、当たり前のことを言っています。
「悪いことをしたら謝る」問いほぼ同じような、非常にシンプルな道理です。
過ったことをしたと気づけばすぐに改めるべきで、それをどうにでも修正していくのは本人次第です。
が、子どもの頃から教えられてきた当たり前だと思われる道理が、
世間の当たり前ではなくなているのかと目や耳を疑う場面に遭遇することもあります。
時代や社会が違えば良識とされることも変わっていくかもしれませんが、
これは時代や社会関係ない真理に近い気がするので心に留めておきたい言葉です^^
教室では楷行草の練習課題として千字文に取り組みますが、
こんな含蓄ある言葉が千字文にはたくさんありますし、古代の中国社会の哲学や思想を感じられてじっくり味わいながら練習するのも面白いです。
千字文を練習している生徒さんには墨を磨るときに「千字文の解釈ページ」を見ながら磨ることもおすすめしています^^