アート書道を楽しもう
書道は文字が作る芸術であるとともに、
墨汁の黒とその余白によって築き上げられる世界です。
文字の枠組みから解き放たれて、
黒と白の世界に遊ぶことで生まれるアート書の世界があります。
いくつかのポイントをご紹介します。
墨色について
固形墨は松煙墨と油煙墨に分かれ、青墨、紫墨、茶墨などがあります。基本的に黒色で、色調の傾向から分けられます。
作品を作る際の表現手段として、墨色を生かすことは効果的となります。
■松煙墨(青墨)
重厚な黒味から青灰色に至るまで墨色に幅があり、青みがかったものは青墨(せいぼく)と呼ばれ、主に水墨画で使われています。製法は、松の木片を燃焼させて煤を採取して作る植物性の墨です。
■油煙墨(茶墨)
油煙墨は煤の粒子が細かく黒色に光沢と深味があり、書道作品で主に使われます。製法は土器に、油を入れ灯芯をともし、土器の蓋についた煤を集めて作り、油は植物性油は菜種が最適とされますが、他にゴマ油や大豆油、ツバキ、キリなどがあります。鉱物性油は重油や軽油、灯油が使われます。
筆について
①筆の種類:毛筆(※)、刷毛、竹筆、縄筆、鳥の羽など
毛筆は穂先の長さにより短鋒、中鋒、長鋒とあり、毛の柔らかさなどにより毛筆の種類が異なります。通常の習字や書作の場合は作品や書体の種類によってふさわしい毛筆を選んで使います。
アート書の場合は毛筆はもちろん、通常の書道では用いない刷毛や竹筆、鳥の羽、植物など、より多様なツールを活用することで、表現の可能性を広がります。
②筆遣い:直筆、側筆、蔵鋒、露鋒、速書き、遅書き
筆遣いにより、墨の潤滑(にじみやかすれ)を表現することができます。書を書くときは直筆で書くことが多いですが、かすれや幅の広い線を表現したい場合は筆先を横にして側筆にしたりするなど、筆遣いも変化をつけると立体的な表現が可能となります。
墨色とにじみ
墨色の濃淡、にじみを生かすことは、文字と視覚的なイメージを融合させるには効果的です。
墨の潤滑
墨のにじみと渇筆を、墨色などの変化を融合させると立体的な表現が生まれます。
白黒のバランス
書の魅力は余白の美しさに引き出されます。空間の粗密を表現することで作品に広がりが生まれます。
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